大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第三小法廷 昭和32年(あ)799号 決定

主文

本件各上告を棄却する。

理由

弁護人大坂忠義の上告趣意第一点について。

所論は憲法三一条違反をいうが、その一は、単なる法令違反を主張するに帰し(なお、酒税法二条一項にいう「飲料」とは社会通念上飲用に供することができる液体と解するを相当とするから、本件調みりんを同条項にいう飲料に当るとした原判決は結局正当である。)、その二は、単なる訴訟法違反を主張するもので(なお、所論は、昭和二九年(あ)第三三八八号、昭和三一年一〇月二二日第三小法廷判決および昭和三〇年(あ)第二〇五九号、昭和三二年一二月一〇日第三小法廷判決の各趣旨と相反する主張である。)、いずれも刑訴四〇五条の上告理由に当らない。

同第二点について。

所論は、単なる法令違反の主張であって、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。

また記録を調べても同四一一条を適用すべきものとは認められない。

よって同四一四条、三八六条一項三号により裁判官全員一致の意見で主文のとおり決定する。

(裁判長裁判官 高橋 潔 裁判官 島 保 裁判官 河村又介 裁判官 垂水克己 裁判官 石坂修一)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例